<aside> 💡 離合詞レキシコンの開発の目的  日本人学習者を対象とする離合詞の教授法の研究において、離合詞は日本人学生が習得を困難とする文法項目であると指摘されてきた(宮本,2000;韩,1999)。また、張(2015)は学生が離合詞をマスターできない理由を2つ述べている。1つは、現在使用されている多くの教科書に離合詞の紹介が含まれていないことであり、もう1つは、指導の不十分さである。さらに、鄧(2012)は「離合詞」の拡張形式には共通のルールがあるが、特例の拡張形式も多数存在すると指摘している。そこで、このような離合詞の構造的特徴に配慮した上で、教科書や指導の不十分さなどを解決し、いつでも、どこでも離合詞を学習できるシステムを構築することを目的として、離合詞の学習データベースとしての離合詞レキシコンを開発した。

</aside>

1**.離合詞の定義**

離合詞の定義について(守屋、2013)を以下のように引用する。

日本語の「結婚」という語は「結」と「婚」の結びつきが強く、切り離すことはできませんが、中国語の“结婚jiéhūn”は:

过 两次

Tā jié guo liǎngcì hūn.

のように、“结”と“婚”が分離することがあります。

“结婚”という語の内部構造を見ると、“结”と“婚”は「〈婚〉を〈結ぶ〉」という動詞とその目的語という結びつきになっています。このようなVO型(=【動詞+目的語】型)の二音節動詞の中には上の例のように二つの形態素が分離するものがあり、離合詞と呼ばれています。

2**.離合詞拡張形式の特徴**

(1)動態助詞(“着”、“了”、“过”)を入れるときは、「V+動態助詞+O」の形が基本である。

着(持続動作・状態を表す)→「V+着+O」になる。

她正`跳`着`舞`呢。

彼女はダンスをしている。

妈妈`做`着`饭`和我聊天。

母はご飯を作りながら、私と喋っている。

②了(既に発生・完成した動作を表す)→「V+了+O」になる。

我`请`了两天`假`。

私は二日間休みを取っている。